子供の頃のこと6 「新歌舞伎座」
難波にある新歌舞伎座が本日を持って終焉し、上六に移転するそうだ。
建物の老朽化が移転理由らしいが、現在の建物はどうするのだろうか?
もし取り壊すなら、あの独特なデザインが街並みから消えるわけで残念な気もする。
あの周囲とは決して調和しないデザインは、僕の子供の頃の記憶にも鮮明な印象を残しているのだが……
子供の頃のこと…
難波駅前の近代的なビル群の中に突如現れる安土桃山風?の、異他的で時代錯誤感甚だしい建築物の存在感は強烈であった。
当然子供の僕は、この建物は一体何なんだろう?と興味を持ったわけだが、実態がよく掴めない。
買い物の折に前を通るだけで、信号待ちの短い時間で車の窓から観察しても中身までは分からず、そうこうする内に信号は変わり車は発進してしまう。
観察から得たのは、多くの派手な幟が並び、歌舞伎と名が付くのに歌舞伎の興行がなされているわけでもないらしく、古めかしいデザインなのに戦後の建築らしい、といった実態を掴めない視覚情報の数々!
更に、難波界隈の何とも言えぬいなたく妖しい雰囲気とその名前からいけない大人の街・歌舞伎町との関連性を疑われ、何となく親に尋ねるわけにもいけないような気がする…(*´Д`*)
そんなこんなで、新歌舞伎座の正体は遙かイスカンダルまで遠のき、子供の頃の僕の想像はどんどん有らぬ方向に進んでいった。
親にも聞けず、与えられた時間は信号待ちの間の僅か、あのブラックボックスの中では果たしてなにが行われているのか?
とはいえ、一度でも妖しげな方向に想像をするとそれは瞬く間に妄想となり膨れあがる一方で、
「デカ長…手持ちの情報を総括した結果、噂に聞く常夜の春、大人のずんどこ体操、俗に言う男と女のぶつかり稽古が行われている可能性があります…。まぁ~いやらしい(/ω\)ハズカスィ~……難波、この欲望の街は愛すべき人々の心のネジまで緩めてしまうのか?次回、危うし!!子供デカ、戦え子供デカ!!新歌舞伎座を倒すの日まで!!」
といった結論に迷推理が行く着くまで、そう時間はかからなかった。
この推理に、建物の外観とその少し前にテレビの時代劇で仕入れた遊郭という未知なる情報が合致したこと、加えて道路脇の電柱に貼られていたテレクラの張り紙が大きな役割を果たしたことは、言うまでもない。
今となっては、その圧倒的に多い中高年の客層から、妄想を絶してマニアックでないかぎりそのようなことが行われている筈もないことは一目瞭然なのだが…
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