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2009.05.31

マルゲリータ

五月末日、テレビを見ていたら、ポットみたいな顔をしたネアポリス出身タレントが中坊でピザを作っていた。
番組内では街の巨匠と持ち上げられた人々が紹介されている。

「ナポリ人は決して他郷ではピザを頼まない」

という格言は嘘だったのかしらん( ゚д゚)ポカーン?

“ネアポリスの窯”という名のピザチェーンもあったりするが、日本にあるのだから格言からしたらなんとも不思議な感じがする。
職人意識から想像するに宅配自体問題な気がするし、一枚のピザをシェアして取り分けて食べるのも変な感じだ……

こんな感想はアナログなオリエンタリズムだろうか?

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2009.05.24

海賊稼業

今更ながら、書店に行った際にソマリア関係の書籍が随分と増えたように思った。
それらの書籍に混じって、随分前にリドリー・スコットが映画化した『ブラックホーク・ダウン アメリカ最強特殊部隊の戦闘記録』(早川書房)が並んでいた。
言われてみればあの作品もソマリアを扱った作品(内容は、海賊問題ではなくその元凶の一つであろう90年代前半のアメリカによるソマリア内戦への軍事介入と見事な失敗を描いたノンフィクション。)であったが、明らかに新規に入荷したのではなく書籍の側面が黄ばんでいるあたりに商魂溢れる便乗を感じ、いたく感心する。
もはやソマリア関係というよりソマリア奸計ですな。

ニュースや動画を見ていると、不謹慎にも見事な仕事で、「海賊王」になるのも「一つなぎのお宝」を手にするのも、陸で戦ってばっかりで海戦をしない麦わら帽子のゴム人間より今を煌めくソマリア沖(アデン湾)の方々の方が早いんじゃないかと思う。
宇宙海賊ではなくともサイコガンぐらい持ってそうだし、松本零士は尊敬を集めてそうだ。
或いは「YAT安心!ソマリア旅行」なんてものがあったりするかもしれない。

まぁ、現実は漫画より遙かに複雑で、背景には内戦やアナーキーな政治状況、諸外国の責任などが絡み合ってるわけで、各国が自分たちの権益を守るためだけに軍事力を振りかざしていても問題を解きほぐすのは難しそうだ………それに、利他主義は流行らないからなぁ…
とはいえ、アフリカ支援の難しさはいかんともしがたく、即効薬は存在しないのだろうが…

イギリス海軍も海賊対策に参加しているようで、かつて国益とあらば海賊の略奪行為も公認していた歴史を持つお国だけに、荒唐無稽な話のように思われる。
もし仮に、国の施策のもと海賊行為をかつて行っていたお国の兵隊が糾弾し、無政府状態に近いお国で糧の為に海賊行為を働く人々を掃討しているのだとしたら……流石かの国一流のブラックジョークと感心すべきなのだろうか?
絢爛たる略奪展示場を憚り無く大英博物館と呼び誇るお国だから…
ジョンブル精神とは見上げたものだ…

ついでに言えば、中国海軍も取り締まるべき海賊は、ソマリアよりも身内に氾濫しているような…

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2009.05.22

Mt.Fuji

五月某日、東名高速下り足柄SA。
彼方に富岳が見える。

P5110017

「田子の浦ゆうち出でてみれば真白にこそ富士の高嶺に雪はふりける」

『万葉集に詠んだのは山部赤人
古来より霊峰として山岳信仰の対象となり、平安時代には成立していたものと推測される『竹取物語』にもその名が伺え(たはずで)、富士登山も平安期に始まっている。
山頂には浅間神社があり、その祭神は木花咲耶姫(火の神筈が何故か火を沈める水の神扱いらしい)
僕が小学校の頃には休火山と習ったが、教科書ではいつの間にやら活火山に変更されている。
まぁ、富士山がそろそろ噴火という話題が度々囁かれるのだから休火山のわけがないよなぁ。

それにしても、地理で習った典型的な成層火山の何とも分かり易い姿をしてらっしゃる。
幾千年の刻を越えて一般受けがよく、アナクロな異邦人に「芸者・腹切り・冨士山」と認識され、日本のシンボルのように言われるのも、日本最高峰という数字より景観の美しさと稜線と広大さに起因しているのかしらん?
しかし実態は、その象徴性こそが仇となり山肌は人とゴミ、数多の人工物に溢れ観光地化し、裾野には自殺の名所と不法投棄のゴミ山、ネオンを灯したラブホテルが彼処に軒を連ね、その惨状は霊山も国立公園もあったものじゃなく、遠くから眺める方が正解だと思わずにはいられないが…

 

標高3776M。
高い気もするが、昨年来CMで人気者となったアルカパ(アンデスの3,500~5,000㍍に生息。因みにアルカパは高級素材で知られるヴィキューナ(ビクーニャとも。その原毛はきめ細かく柔らかく高品質であり、稀少性と相まって「繊維の宝石」、「神の繊維」とも呼ばれる。アンデスの標高4,800㍍以上の高地に生息し、赤血球は人間の約三倍!原毛100%の生地ならコート一着で数百万円するらしい恐るべきラマであるcoldsweats02二年に一度しか毛は刈り込まれず、その原毛は南米国家が外貨獲得の為に厳重に管理されているそうな…。)から派生した動物。時速40㌔ぐらいはだせるらしい。威嚇の唾には注意)はまだそれよりも高い所に生息しているんだよなぁgawk
もっとも富士の場合、噴火のデパートと呼ばれる程の(誰が呼んだ?)度重なる噴火で、高山動植物自体ほとんど生息していないようだが…

俗っぽいと思いながらも、弥次喜多も眺めたと想像するとなにかしらの感情が去来しないこともない。
が、あまりにも分かり易すぎてひねくれ者には受け入れがたく、やはり登りたいとは露にも思わないが……

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2009.05.21

国防高等研究計画庁

アメリカのの国防高等研究計画庁(略称DARPA。前身のARPA時代にネットの原型であるARPANETを開発したことで有名。大統領と国防長官直轄の組織で軍の研究機関とは独立しており軍や議会からの干渉を受けないらしい。)なるマッドな機関が「テレパシー」研究を本格化させたそうな。
その目的は「発声による会話を使わずに、神経信号を分析することによって、戦場での人から人へのコミュニケーションを可能にすること」らしい。
って、サイコミュですか!?
参照:http://wiredvision.jp/news/200905/2009051923.html

フラナガン機関オーガスタのニュータイプ研かは知らないが、空想の域を出るかどうかはともかくとして、結局この手のことは軍事利用される運命にあり、かつその分野において目覚ましい進展をみせるのだろうという現実を見せつけられ、絶望した………orz

「おかしいですよ!アメリカさん!主にミリオタな頭が!」

他者への思いやりからは、なんらの革新も生まれないのか…(;;;´Д`)?
…思いやりからは思いやり予算しか生まれないなんてアイロニーだ……orz?
でも、まぁこうして情報が秘匿されることなく表立ってくるということは大して気にとめることもないプロジェクトなのかもしれない…まぁトンデモ系な計画だし……或いは表立たせること自体に意味があるのかと勘ぐるのは邪推だろうか?
でも、どこかの記者がスネークも跪くようなスニーキングで突破した果てに得た情報の暴露でもなさそうだしなぁear
トグサの情報収集なら笑って信じるかもしれないが、トンデモ系なだけにその場合もトグサはトグサでも、攻殻の方ではなく打ち切りXに出てきた戦艦ヴァローナ艦長トグサ・アインの方かな…( ̄◆ ̄;)

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2009.05.20

恐怖・・・タイコバエ

『ドグラマグラ』の夢野久作もアンブレラもびっくりな身の毛もよだつタイコバエというハエがいる。そのハエは繁殖にあたり特定のアリに卵を産みつける。その卵から孵化したは蛆は、まず寄生したアリの脳髄に喰らいつきそれをすすり平らげて成長する。その後ゾンビ化したアリを操るかのように動かし、やがてホストの頭を切り落としてさらに成長しその中で蛹(さなぎ)となる。

と、自分でタイプしててもおぞましい話を昔父からされたのを思い出した。
僕が昆虫を受けつけなくなった理由の一つで、話自体はてっきり僕を怖がらせるための作り話だと思っていたのだが、某誌にその記事が載っており実話であることがわかり、僕は絶望した。
真実は小説よりも奇なりというが、これよりおぞましいホラー映画など存在するのだろうか?
今年の夏の怪談に使えないだろうか……ジャンルは少々異なるが…。

なんだか脳髄が痛む気がする……orz

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2009.05.18

後悔日誌補足

DoCoMoからエヴァ携帯が出るらしい……シャア携帯と同じく気にはなっても恥ずかしく僕には使えない。それに嫌な相手から電話がかかってきたときに「逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ」なんて鳴動したら、携帯が嫌で嫌で封印してしまいそうだ。因みに、夏には現行の第三世代で通信速度が3~15倍速の携帯が出るらしい…早まったか?

周辺地域がどえらいことになっている。お店でマスク越しに咳をしたら周囲が一斉に振り向いた……いや、単にむせただけですから。その傍らで股間にアルトリコーダーをあてがい左右に振って「パパの!パパの!」とご機嫌に絶唱した愛すべき小学校低学年児童がその母親にすぱこーんと叩かれた。僕を含め当然周囲は一斉に振り返った。

みんなマスクをしている。これにサングラスをしてヘルメットを被ってたらどこかのセクトか革命か?マスクしてなきゃきっとチェーカー将校もおののく総括にあうに違いない……刑はギロですか?ああこんなことんならもっと早くザンスカールに入っておくのだった。

エジプトでは科学的根拠もなく既に大量のブタが断頭台の露かガス室に消えたそうな…まぁユダヤ教やイスラム教からは昔からえんがちょされてきたけど、この大量虐殺へのホロコーストへの同情はないのか?FMJのハートマン軍曹は新兵をのきなみ豚扱い(曰く「お前らは雌豚…黒豚、ユダ豚、イタ豚」)していたが、いっそそれらの豚さんも隔離したら平和が近づくのでは?

昨今の由々しき状況について是非ともポルコ・ロッソ(紅の豚)にインタビューしてみたい。やはり「飛ばねぇ豚は、ただの豚だ」といって煙にまくのだろうか?いっそ今年の夏はトトロやラピュタをやめて豚の名誉回復のために紅の豚を放映してはどうだろう?

幸福感や憂鬱などの精神状態によるホルモンなどの化学物質は精子や卵子に作用し、生まれてくる子どもに持続的な影響を与える可能性があるそうだ。てことは僕の憂鬱はもはや……ひぃやーーー。

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2009.05.16

時代の徒花『夜霧のハウスマヌカン』

先日某所、決してちゃらくない某氏と肝臓マゾヒストの某氏のお二人と共に酒精を嗜む。
両氏を相手に淡々と、

「そもそも地球にある磁場を作り出しているのは、対流している溶融状態の外核と、その外側にある比較的温度の低いマントル層の間で行われる熱伝導に他ならぬ。そして、この両者の温度差が、天体磁場を長期にわたって安定させる“ダイナモ効果”を生み出すのだ!!」

と語ったり語らなかったりして、ダンディズムを極めし時、店内に流れる有線から聞き捨てならない演歌の歌詞が聞こえてきた。
それは、

「また~ 昼はシャケ弁当~~ つД`)・゚・。・゚゚・*:.。karaoke

う~ん、なんともシュールかつナンセンスな世知辛いコブシが聞いた強烈な魂のルフラン…(´ρ`)ぽか~ん
一体全体どんな歌やねん、コッミックソングなのか真面目なのか、それまでの会話はそっちのけで気になって仕方ない。
で、その後調べてみたところその曲は80年代にヒットしたやや『夜霧のハウスマヌカン』であることが判明。
匿名のお友達に聞くまでもなく同様の質問は出てましたよ。
てかヒットしたのか……ということは日本全国津々浦々で「昼はシャケ弁当~」とこだましていたわけで…ますますシュールだ(=´Д`=)ゞ

因みにハウスマヌカン(house mannequin)とはブティックの販売員のことであり、DCブランド全盛の当時に彗星の如く現れ、この曲によって内情が晒され夜霧の露(つまり死語)となった時代の徒花。 

そこで、問題の歌詞を見てみると、参照
作詞はいとうせいこうではありませんか!
舞台は東京なのか大阪なのかよくわからないが、「女ひとりのはしご酒」なり「社販で買った~」なり必死さと世知辛さだけは伝わってくる。
個人的には、

「青いうなじは心意気 触れてください後ろから………刈り上げても剃り上げても~」

という歌詞に、数年前研究室でバリケードを築き行くところ行くところで暴威を奮い辞めていった某さんを思い出した(*´Д`*)
てかあの人のテーマソングですか?
あの刈り上げはワカメちゃんではなく心意気だったのか?
そりゃあ、そんな背景があるなら「おめでたい娘たちね…( ゚д゚)、ペッ」とも言うわなぁsweat01

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2009.05.15

『ドリフターズ』

書店にて立ち読みならぬ情報収集。

月刊誌『ヤングキング アワーズ』にて新たに平野耕太『ドリフターズ』が連載開始してる。
舞台は戦国時代のクライマックス、1600年関ヶ原の戦いの終盤「島津退き口」
敗走を始める西軍において島津隊は300人にまで数を減らし退路を断たれ適中に孤立してしまう。
主人公の島津豊久は、覚悟を決め切腹しようとする主君島津“鬼石曼子”義弘(豊久にとっては叔父に当たる)を翻意させた後、寡兵で前方の家康本陣近くをかすめ敵中突破するという大胆な策を決意させ、その先陣を務める。
義弘を逃がすため、島津隊は捨て奸(最後尾の兵を逃走する道筋に沿って、数人ずつ銃を持った狙撃手として伏せさて配置し、追ってくる敵軍の指揮官を狙撃する。 狙撃後は槍で敵軍に突撃し、時間稼ぎをすることで本隊を撤退させる。狙撃手は生還率はほとんど無い)という戦法を用い、豊久も攻め寄せる徳川四天王井伊“赤鬼“直政軍に対し決死の切り込みを敢行する。
直政に重傷を負わせたものの首は取れず(史実ではこの傷が元で直政は死ぬ)、死に花を咲かせられなかった豊久は自身も重傷を負い、失意の中山中を彷徨ううちに………

またも戦国ものか、編集の鬨の声なのか、ヒラコーお前もか…( ゚д゚)、ペッ……と思ったがどうやら違った方向に進んでいきそうなので期待できそう。
『Hellsing』の時も思ったが殲滅戦を書かせれば流石の一言flair
いつも通りの芝居がかった大袈裟な平野節ともう何が何だかなベタ使いに期待しつつ、巨乳・眼鏡・猫科・少佐には更に厚く期待。
もういっそムスカでもいいけどtyphoon

一緒になって立ち読みしてる隣のオタのヘッドフォンから漏れ聞こえてくるのが明らかにTWO-MIXなのは………(∩゚д゚)アーアーきこえなーい

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2009.05.14

『造物主の選択』

ジェイムズ・P・ホーガン『造物主の選択(The Immortality Option)』読了。
前作、『造物主の掟』の続編であり、土星の衛星タイタンで遭遇した地球の中世ヨーロッパ(ルネッサンス期のイタリア?)そっくりの文明を営み、自我を持ち自己増殖する機械生命体(タロイド)の起源と彼らに迫る危機に対し、インチキ心霊術師ザンベンドルフと彼のチームが再び立ち上がるといったお話。

相変わらずホーガンの楽観的な理性信仰と勧善懲悪な役振りいうスタンスには変わりはないものの、『星を継ぐ者』にはじまる『巨人たちの星』四部作シリーズに比べればそれも違和感に苛まれない程度には薄らいだ感じだろうか。
「理性>信仰・宗教」というホーガンの構図は普遍ながら、タロイドの「宗教と封建制の世界」にしろボリジャンの「マキャベリズムの世界」にしろこれらは人間社会が経験し内包している側面であり、それらの側面を人間社会の側(無理難題を仰る出資者や頭の固い科学者たち)にも同様に描いてみせることで、『巨人たちの星』四部作に見られた「内部(地球人)=正義VS外部(ジュブレン人)=悪」という目も覆いたくなる排他主義的構図に比べ良心的な配慮が見られるからだろう。
とは言ったものの、元ハイデゲリアンsign02か らすれば、近代の理性に基づく科学的思考も中世のカトリック教会の信仰もその源泉は基を一つにしているのだから、そもそも「理性VS宗教」という構図はあまりに短絡的すぎるし、ウェーバーにしても脱魔術化の下近代化を推し進めたのはプロテスタンティズム倫理だったわけで…
まぁ、理性を宗教や信仰より高位に置いた態度でタロイドに接する以上、果たして宇宙時代の彼ら地球人が中世さながらの社会を営む個のタロイドたちを尊重しているのかどうかは怪しいもので、遅れた文化(タイタン)を進歩した文化(地球)を教育し保護するといった姿勢が垣間見え(ミルの『自由論』の「判断力のある大人について」のくだりに似通う)、「誤った干渉の危険」は考慮されていないのではないだろうか……だとすればタイタンを植民化しようとしてた地球のお偉方と大差ないようにも思われる。

 
……と違和感を感じ突っ込みは尽きないが、無闇に倫理などを問うのもエンターテイメント小説に対し野暮というもので、その楽天性こそがホーガンの魅力と考えた方が楽しめる。
古典的ダーウィニズムに基づいた突然変異と自然淘汰が、まさにひょんなことから機械(人工知能)にも起こりかつ生殖まで始めてしまうなんて発想はそのたまものだろうし、でなければあの秀逸なプロローグの描写も生まれてこなかったわけだ。
それに、未来の地球が「電子共産制」であるなんて素敵なアイデアも生まれてこないに違いない。

何よりこのシリーズの最大の魅力は、コミカルかつユニークなタロイドたちの振る舞い―彼らには非常に申し訳ないと思いつつも、タロイドのサーグ“ガリレオ”グルアーク“モーゼ”の兄弟に降りかかる受難劇の域の災難をどこか滑稽に感じ、つい更なる彼らの不幸を願ってしまうtyphoon―と、ザンベンドルフが時折見せるシニカルな発言、および彼に手玉に取られる科学者達が繰り広げるなんともエスプリに溢れた情景だろう。
例えば、前作でザンベンドルフと認知心理学者兼奇術師マッシーが大衆について繰り広げた論争は、ミルの「豚とソクラテスの論法」(当然ザンベンドルフは豚を捕りマッシーはソクラテスをとった)を思い起こさせ、その術中に迷い込んでいくあたりは大変面白かった。
また、作中後半で大活躍するボリジャンの人工知能ジーニアス5は、S.A.C.のタチコマと重なりその勇猛さと知的好奇心によって僕の心を鷲掴みにした。

インチキ心霊術師(つまり確信犯)を演じるものの実は理性への傾倒に溢れたザンベンドルフが放つ、

「真理を追究する科学者にはメダルしか贈らず、いかさま師には富と栄誉を惜しまない社会に嫌気がさして、それなら世間が望むものを与えてやろうとこの商売を始めた」
 
「…馬鹿者を愚かさから守ってやっても、彼らを賢くすることにはならないんだよ……ぼくが食えなくなったら、それはいくらか人間が利口になったってことさ」

といった台詞はなんとも世知辛く心当たりに溢れ苦笑してしまう。
いかさま師より研究者の方が遙かに博奕な稼業になっているあたりリアル過ぎて笑えないが……(;´Д`A ```

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